タッチケアとは・・
タッチケアとは、手指を用いて触れたり擦ったりなど、肌に優しい刺激を伝えることで、心身の健康維持や健康増進を促してきます。 認知症ケア、発達障がい児ケアなどにも活用され、介護者や養育者との絆作りにも役立てることができます。
皮膚から伝わる優しい感触や心地良いと感じるタッチをする事により癒していくものです。心地よいタッチケアをされることにより、脳にはオキシトシンがたくさん分泌されます。オキシトシンはストレスホルモンの分泌を抑制しストレスを感じる時に分泌される脳内ホルモン濃度を下げていきます。また、逆に幸福感を感じ穏やかな気持ちにさせてくれるため、タッチケアを受けた後にはイライラが減少し気分を落ち着つかせる効果があるのです。身体の不調がある場合にはどこをどのように触れると効果的なのかも知っておくことにより症状を緩和することができます。
また自律神経のバランスはストレスに大きく左右されます。ストレスが溜まって、いつの間にか体調を崩してしまったという時には、多くの場合が自律神経のバランスが乱れているのです。タッチケアは自律神経のバランスを整え、回復力、免疫力を上げて行きます。認知症のあるご高齢者はストレスホルモンがたまりやすい状況にあり、それらが原因で様々な問題行動に繋がるといわれています。タッチケアを受けることにより認知症のある方たちの問題行動を軽減させることに繋がれば、介護者の方たちの負担も軽減されることになります。
小さなお子さんについてもタッチケアは、自律神経のバランスを整え免疫力を高め、心や体の不調を予防してくれます。これにより成長ホルモンの分泌も活発になり、健康的な成長を促します。小さなお子さんにおいては、優しいタッチが不足すると将来の人格形成やコミュニケーション能力にまで影響を及ぼしてしまいます。愛情たっぷりの優しいタッチケアは、子供の成長には欠かせない大切な行為です。昔では当たり前の親子のスキンシップも、現代社会の生活の中では極端に希薄になってきているのです。ストレスに弱い子、キレやすい子にさせないためにも、今のこの時期のタッチケアの大切さを多くの方に知っていただきたいのです。
お子さんに限らず、大人にとっても穏やかで健康に暮らしていくためには、健全なタッチはとても重要な役割を果たします。タッチケアの効果は、受ける人だけではなく行う人にも同じ効果が得られるのです。家族で日常的に行われることにより、穏やかで相手を思いやる気持ちが芽生え、人を信頼することが出来、親子の絆も深まっていきます。ベビーマッサージ教室やタッチケア教室に参加したときだけではなく、日常的に行うことが大切なのです。たとえ短時間でも、手足だけでも背中だけでも、機会あるごとに触れることがとても重要です。虚弱なお子さん、障がいを持つお子さんたちにも、タッチケアは必要です。
赤ちゃんは五感のうち触覚が一番早く発達し、お腹の中にいるときから皮膚に伝わる刺激を感じることができます。ベビーマッサージ教室などは通常2ヶ月以上の赤ちゃんが対象とされます。しかし、赤ちゃんの成長には生まれたその瞬間から優しいタッチが必要なのです。生まれたばかりの赤ちゃんにどのように触れたら良いのかも分からないママたちも実際にいるのです。これからは出産前の母親たちに出産直後から行えるベビータッチを伝えていくことが必要です。我が子に優しいタッチをすることにより親子ともに癒され、親としての自覚が芽生え、我が子に対する愛情もより一層深まっていきます。
アロマセラピーとは・・
植物から抽出された精油(エッセンシャルオイル)に含まれる化学成分が持つ薬理作用を利用し、芳香療法、沐浴、湿布、吸入、トリートメト(オイルマッサージ)などで、身体と心の状態を整えて行く自然療法の事を言います。
リンパの流れや血液循環を整え、コリ、冷え、ムクミ、筋肉疲労などの症状を和らげる他に、自律神経のバランスを整えストレスからくる身体の不調も緩和して行きます。オイルトリートメントにおいても心地よいタッチングは、香りと共にアロマトリートメントにおける基本であり、重要な要素の一つになります。タッチングは感覚器を通し脳へと伝わり、ストレスホルモンを減少させ幸福感や穏やかな気持ちにさせてくれるのです。また、麻痺などがある方のムクミや拘縮、痛みなどの症状も緩和させていきます。
リンパの流れや血液循環が改善し、自律神経のバランスが整ってくる事で免疫力が高まり、人が本来持つ自然治癒力をも高めて行きます。そのため近年では統合医療を取り入れる病院や介護施設、在宅などでクリニカルアロマセラピーが導入されている所も増えています。看護師や介護士により医療や福祉の現場で患者様や利用者様に行われることで、今までの西洋医学だけの治療では限界のあった部分へのアプローチが出来る事でしょう。